阪巻・宝玲文庫(ハワイ大学所蔵) / Sakamaki/Hawley Collection

hawley
概要

阪巻・宝玲文庫
イギリス人ジャーナリストのフランク・ホーレー氏(1906-1961)が収集した琉球・沖縄関係の資料に、ハワイ大学で教授を務めた阪巻駿三氏(1906-1973)の資料を合わせてできた文庫です。点数は5
千点以上、そのうちの2千点以上がホーレー氏のコレクションです。
ホーレー氏は、東洋文化への強い関心から、蔵書印にも「宝玲文庫」を用いています。また、1400~1960年代の琉球・沖縄関係資料が多数収蔵されている点も特徴的です。現在、ハワイ大学マノア校
ハミルトン図書館
が所蔵しています。

琉球・沖縄関係貴重資料デジタルアーカイブでは、図書館振興財団の助成を受けて、ハワイ大学マノア校図書館所蔵の阪巻・宝玲文庫を、琉球大学附属図書館がデジタル化し、公開したものです。

フランク・ホーレー( Frank Hawley )
英国ダーラム州ノートンという所に生まれたホーレーは、リバプール大学で語学を学び、1931(昭和 6)年、東京外国語学校英語教師として採用されました。日本滞在中、1万6千冊以上の和書・洋書・漢籍を収集しましたが、太平洋戦争が起こると、ホーレーは逮捕拘留され、蔵書は接収、散逸してしまいます。その後、英国へ強制送還されますが、1946(昭和21)年、ザ・タイムズ東京支局の特派員として再び来日。55歳で亡くなるまで、京都山科で暮らしました。

阪巻駿三(さかまき しゅんぞう)
阪巻は、1906(明治39)年、移民の子としてハワイに生まれました。学生時代は、同志社大学の奨学金フェローとして、同大で英語を教えながら、日本の歴史について学んでいます。その後コロンビア大学大学院(日本史)で学位(Ph. D. )をとり、1954(昭和 29)年ハワイ大学教授に就任しました。1961(昭和 36)年、ハワイ大学夏期大学学部長となり、ホーレーの蔵書をホーレー文庫として保存することに尽力しました。

 

阪巻・宝玲文庫の画像利用
利用については、個人の研究や授業で自由に活用していただけます。但し、デジタルによる複製や転載はご遠慮下さい。書籍等への掲載については、事前の許諾が必要ですので、ハワイ大学マノア校図書館 Okinawa Collectionまでご連絡ください(日本語可)。

参考文献
1. フランク・ホーレーについて
 横山學(2003)『書物に魅せられた英国人: フランク・ホ-レ-と日本文化』, 吉川弘文館
2. 宝玲文庫について
 沖縄大百科事典刊行事務局編(1983)「ホーレー文庫」『沖縄大百科事典 下巻』, 沖縄タイムス社, p. 458
 横山學(2003)「ハワイ大学宝玲文庫成立の経緯」『書物に魅せられた英国人: フランク・ホ-レ-と日本文化』, 吉川弘文館
 崎原正子(1979)「ハワイ大学の琉球研究資料」『季刊沖縄(ハワイ特集)』, 創刊号, 大田昌秀編, 那覇出版社
3. 文庫所蔵の資料(内容等)について
 横山學訳(1988)「『琉球書誌稿』阪巻駿三著」『生活文化研究所年報』, 第2輯, ノートルダム清心女子大学生活文化研究所
 州立ハワイ大学宝玲叢刊編纂委員会(1981)『江戸期琉球物資料集覧』(全4巻), 本邦書籍