原忠順宛原峰子書簡 / A letter from Hara Mineko to Hara Tadayuki

殿様ニも直ニ申上候處殿様ニも入浴ハ左様ニ医師より禁せられ
たと申事あり宜く委敷入校試験の処を問合する様ニとの
御事ニ而候處御父上様ニも御伺申上候且又委敷事ハ
わかり次第後頃ニて申上可く自分の為たる事とハ申ながら
一向ニ只今の事ハ相出来ず試験ニ落第致したらバ何如候な
さんかと心も心ならず痛心ニて候へども致し方なくこまり入
致候然し入校致したらバ前ニ入費も少なく衣裳の事が
第一宜しく候はんかとそんじ候とも暑中休後の試験と申
てハ何分こまり入候尤も別ニ仕方も御座なく候まヽ
所あたハず御伺申上候奉御返事ニての御教へを
御待申上候て明日より此地暑中の御便り此有るとの
事ニて御座候又渡辺氏下県ハ余分候暑気烈しき故
九月頃ニ相成趣きニて御座候申上度事山々ニて候へども
〓〓〓故又後便ニゆづりあひ用事のみ先ハ
目出度
御座候
みね
御父上様
御申上
不一すぐ皆々様へもよろしく御心配被遊ぬ様ニ仏の通学ハ
休みても別の事ハ稽古いたし候まことを則々御配慮
被下問処ねがひ上候て目出度候
御座候