文書集[琉歌] / Ryukyu Poems
扨も浮世のまん中に弐人と居るかや
香々のおとがみそでや匂や沈やきやら。
彼か袂(みそて)につゝまりて島を恨める身と
ならばたとへひ死とも恨めし。花の手本や
新田ま牛面むちくがはたや玉目笑
歯口にもるへくぶ。歌や三味線並なし
笑て金武ふしあげたれはなかへ飛鳥
よとて聞。道て列行人々ん貴賤老若
よとて聞。誰そほけらん人はなし。見てん
見あかん□屋の鶴次第に栄よる花やすか
世界の悪人よもち口。あざな付たる人々む
かししかはよめ右同いろは一字もしらな
しゆらて。次第栄よす下り(さがり)迚かににぐなる
あやまりぬの世間口すばかゝよたす。新田
真牛か存寄てみすつらんな□屋の
鶴まはて呼れゝなまかしや。あざな付よる
人をらはめゝが手作のすやんそるの哥に
ぬすらんちあべらしさなよさ。ちやかやら
新田の分別か女童と云なげなから如斯に
捌よさ。扨も越来のひすはたや古や
むさぼて重行のはすの慶良間に
詰られて。浮世すてとて述懐哥からすしゆる歌に
情故のしよて鳥よ鳴しゆる夜絶自満ふりしよすあさ
ましや。じんじ捌る伊保のつる咄半学
金官や彼か所存の有様をや。委細に口説は
聞みしやちれ浮世渡よす義理のみち。
扨も恥しことやすが恥よいはねは義理立ん
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『文書集[琉歌]』宮良殿内文庫MI214(琉球大学附属図書館所蔵), https://doi.org/10.24564/mi21401